ふるさと納税

ふるさと納税


ふるさと納税

加熱する返礼品の自治体間競争と見直し論

ふるさと納税制度に対する批判が高まっています。

都市部の自治体で税収が減ってしまったり、豪華な返礼品競争が過熱したりしており、一部自治体の首長は制度のあり方そのものについて疑問の声を上げています。

ふるさと納税制度については、税の公平性という観点において重大な欠陥があるとの指摘もされていました。しかし本来の立法趣旨は、戦後ずっと地方は首都圏の人材供給源であり、人材育成には時間もコストもかかりながら、成人後は居住地である都会に課税権があることの悩ましさから、地方は都会に「ひと」「かね」「資源」を収奪される一方なのか、という地方の不満、地域間格差を解消するひとつの手段として、そして納税者の権利として納税先と使い道を選択できるようにしたいと、NPO等に対する寄付税制の改正と同時に制度導入されたものでした。

もちろん今日のように返礼品競争が過熱することは考えていませんでした。

南国市のふるさと納税制度は、当時の新人議員が超党派で勉強会をもち、自分たちで条例案の文面から実施要項まですべての素案を作り、平成20年に議員提案により南国市ふるさと寄附条例として制定をされました。

制定にあたっては、ワンコイン500円からの寄附を可能とすること、その使途についても運用する事業についてあらかじめ指定できるものにすること、に最後までこだわりました。

税金の使い道を透明化し変えることこそが、政治を変えることだ、との強い思いがあったからです。

それがどうでしょうか。ふるさと納税比較サイトでは、本来のふるさと納税の理念などそっちのけで、いかに「返戻率」が高いかを競い合い、品のない通販サイト以下の通俗さは見るに堪えません。

この制度に強い思い入れのあった者の一人として大変残念に思います。

いずれにせよ、2,000円の自己負担で、南国市の場合なら最大27,000円の商品に引き換えられるわけですから、これに群がらないわけがありません。

上限があるとはいえ、2,000円以上の寄付額は全額税額控除されますから、事実上税金を原資に特産品を売るバーゲンセール会場と成り下がっています。

返礼品として商品を提供している事業者にとっても、競争原理のはたらかない市場に商材を供給することによって、営業努力も消費者を向いたものである必要はなく、ふるさと納税の返礼品に取り上げてくれる自治体担当者におもねればいい、という力学が働き、結果として商品開発やコスト削減努力を怠ったりする深刻な歪みを生じかねません。


現在のふるさと納税と返礼品制度は、著しく納税意欲を毀損しモラルハザードの状態にあると思います。

南国市の収支が黒字だから今のままでいい、ということにはならないと思います。

例えば、子どもたちの教育に役立ててほしい、と寄付をいただいた方には、お礼のお手紙を子どもの笑顔とともに届ける、そんなふるさと納税の制度であってほしいと思います。


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