緑ヶ丘切土問題

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緑ヶ丘団地北切土問題とは

高知市内の業者が所有する土地に太陽光発電施設を建設するから、隣接する南国市の山を払い下げてほしい、と平成26年2月に申請が出されるが、地元の反対があり不許可となる。

翌年2月、今度は南国市の山を切り取った後に遊歩道を設け緑地を整備するから工事をさせてくれ、という工事許可申請書が出される。南国市は、

①地元の同意を得ること

②工事を中断した時は業者の責任で原況回復すること、を条件に工事を許可。

業者は、地元住民に何の説明もなく工事に着工。工事に気づいた住民が南国市に抗議、

平成27年7月南国市は工事中止を指示。11月に正式に工事許可を取り消した。住民は盛土による原況回復を求める。

南国市は業者に再三にわたって回復計画書の提出を求めるが、業者はやっと平成28年4月になって現状に植栽するという計画書を提出。

盛土による回復はリスクが増大すると判断した南国市は、いったん「現状での植栽をもって原況回復とみなす」と決定するが、地元住民は反発。「原況回復を求める誓願書」を議会に提出。文言の一部修正を加えた請願書を9月議会に再提出。願意妥当として採択された。

見直しを迫られた南国市は、専門家に意見を求め「同程度の安定性を持つ盛土による回復は可能」との意見をもらったが、多額のコストがかかることから、「やはり盛土による回復は求めない」ことを決定。平成28年12月21日、住民に最終回答。翌本年1月17日文書での回答。

1月23日、南国市の決定に納得しない住民より監査請求。

3月1日、南国市監査委員会は「行為のあった日から1年を経過したものについては請求できない」ことを理由に監査請求を却下した。



平成25年

高知市商工観光部商工振興課で新産業団地の候補地として仁井田の当該場所を選定。

商工観光部・中心市街地活性化・工業団地整備担当理事が地権者である当該企業の代表者とトップ会談

用地取得に協力いただける内諾を得る

平成25年11月

高知市予算ヒアリング

産業団地の候補地として仁井田の当該地を調査測量するための予算を予算要求。

平成26年1月

高知市新年度予算案確定

平成26年2月

3月議会に向けて予算説明の準備に入っている最中に、当該企業代表者から産業団地計画の位置の公表を差し控えてくれ、との要望


平成26年2月25日

業者から南国市へ市有地払い下げの申請。申請理由は、太陽光発電施設を計画しているためとされ、太陽光発電事業計画書が提出。

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平成26年3月19日

高知新聞夕刊「仁井田に新産業団地」の記事 位置図あり

平成26年3月31日

財政課より払い下げ不許可通知を発送。

改めて業者から遊歩道をつける内容に変更した図面が南国市に提出される。

平成26年4月10日

平成26年4月14日

地元の自治会長に意見聴取。1丁目2丁目3丁目反対。

平成26年4月15日

市長に経過を報告。市長からなお3丁目の役員会での意見を伺うように指示。←会長だけでなく他の役員の声も聞け?

平成26年5月11日

市有地払い下げに伴う意見交換会開催。出席した3丁目役員全員から払い下げ反対の意見をいただく。

平成26年5月12日

藤村副市長より市長に報告。

平成26年5月14日

市長から業者に不許可を伝える。←財政課からではなく市長マターに

 


 

平成27年1月13日庁議

市長 ‥民間による太陽光発電施設の整備が予定されており、緑ヶ丘北側の山(市有地)を譲ってくれないか、との相談があっている。地元住民は市有地の譲渡、カットともに反対の立場である。仮に市有地を民間に譲渡する場合、面積により議会の議決が必要になる。私の考えとしては、市有地を譲渡する条件として南国市へ編入することを高知市へ持ち掛けようと考えている。‥潮見台では、南国市分を高知市に編入しているので、今回は南国市への編入と話がまとまればと思っている。と発言。

平成27年1月26日庁議

市長 ‥話は変わるが、緑ヶ丘北側の太陽光発電予定地の南国市側の山のカットについて3月議会へ議案として提出したい。‥地元からの了解は得られなかったが、今一度議会に諮り議員の意見を聞きたいと思う。

財政課長 公有地を処分するには、議会の前に審議会にかける必要があります。



平成27年2月4日

業者から避難場所等の整備を含む新たな図面により市有財産工事許可申請が出される。この時の申請理由は「資材置き場を造成中で土地の有効活用を図るため」というもの。

平成27年2月12日

わずか一週間後に市有財産工事許可決定


平成27年7月21日

許可条件が守られていないことから工事中止を指示。

平成27年7月24日

財政課から工事一時中止を指示する文書発送

平成27年26日

3丁目役員会(2丁目役員会合同)

住民の皆さんからの反対のご意見をいただき、土居つねお議員より、後日市長に説明に来てもらいたい旨の要請を受け、市長に報告することで閉会。

平成27年7月27日

平山副市長から市長に報告

平成27年8月11日

2丁目、3丁目会長より住民説明会への市長出席の依頼

平成27年8月29日

地元説明会

平成27年9月16日

市有財産工事許可について今後の方向性について協議

市長・藤村副市長・平山副市長・財政課長・担当・W工業代理人Nさん

現在の施工の高さで工事を中止し、安全な勾配を取るよう施工計画をたて、住民説明会にて報告、了承を得ることを決定。

財政課より2丁目会長、3丁目会長に工事を中止する旨を伝える。

平成27年10月9日

高知県林業振興・環境部治山林道課を訪問 財政課課長・担当・W工業代理人 

工事中止に伴い安全な法面施工が必要なため助言を求める

「安全な法面を形成する工法は切土と思うが、住民の方々のご意見はどうでしょうか」

平成27年10月25日

工事中止報告住民説明会 主席者約40名

市出席者 市長 藤村副市長 平山副市長 財政課長 担当

工事を中止し、当該私有地の回復について住民代表と協議の場を設けることを確認

平成27年11月6日 

県治山林道課を訪問し協議 財政課長 担当

地元説明会結果と工事中止を報告

平成27年11月20日

工事取り消しについての協議

市長 藤村副市長 平山副市長 財政課長 係長

工事許可を取り消すことを決定

平成27年11月26日

工事許可取り消し通知の決済 取り消し日平成27年11月27日

回復計画書を平成27年12月25日までに提出するよう指示

平成27年12月17日

業者から施工同意に関する陳情書の提出

工事許可取消通知書について、意見を聴いてもらいたい。

市長 再度地元に工事再開を投げかけることはできない、と回答。

平成28年1月15日

県治山林道課からその後の状況について財政課に問い合わせ。財政課長対応

工事許可取消を通知し回復計画書の提出を求めているが未提出であることを伝える。

平成28年1月26日

県治山林道課から4名来庁 財政課長対応

現場北側を施工していることを市に報告するよう事業所を指導した、との報告を受けるが、未だに回復計画書が提出されておらず提出待ちの状態であることを伝える。

同日、財政課長から当該企業代理人に回復計画書の提出を行うよう督促。

平成28年2月24日

高知市産業団地整備課より3名来庁 財政課長対応

緑ヶ丘市有財産工事について状況を確認したい

工事許可の取り消しを行い、回復計画書の提出待ちであることを伝える。

平成28年3月1日

県治山林道課より2名来庁 財政課長対応

現場確認した結果、斜面部分の植栽が完了していたとの報告を受ける。

南国市としては、市有地の伐採木材排除等の回復が必須であり、全体としての回復計画が提出されない以上地元と協議できない旨を伝える。

平成28年3月3日

回復計画書の提出を再度督促 財政課長

平成28年3月28日

回復提出書の提出

平成28年4月4日

地元協議の依頼

平成28年4月17日 

地元協議開始

平成28年9月26日

請願第2号十分な安全性を確保し、市有財産工事許可取消に伴う原状回復に関する請願が安全確保を最優先に工法の選定にあたり土木の技術者の意見を聞くなど、進展に向けて鋭意努力をすることを踏まえて、願意妥当と認め採択


平成28年12月21日

盛り土による回復の請求はしないと住民に最後通告

平成29年1月17日

文書による回答

平成29年1月23日 

住民監査請求が出される

                           平成29年3月1日

住民監査請求却下


南国市の対応と住民監査請求

平成28年9月議会において、請願第2号「十分な安全性を確保し、市有財産工事許可取消に伴う原状回復に関する請願」は安全確保を最優先に工法の選定にあたり土木の技術者の意見を聞くなど、進展に向けて鋭意努力をすることを踏まえて、願意妥当と認め採択されました。

この件については、住民の側に何の落ち度もなく、工事許可条件を守らなかった業者の責任において原状回復が図られ円満に解決するもの、と思っておりました。

ところが、平成29年1月17日付、市長名で

南国市緑ヶ丘3丁目34番の土地について


 この度、本市の方針としまして、「工事業者に対し盛土による回復指示はせず、切土した現在の形状に植栽を指示する。」と決定いたしましたので、報告させていただきます。 

 以下、方針決定の経過を説明させていただきます。

 協議の初期においては、工事業者による回復が行われた山の北側法面については安全性が十分に確保された上で整形されており、盛土による回復については安定性の面で疑義があったことから、盛土による回復を指示しない方針としておりました。

しかし、協議の中で盛土工法について再検討することとなったことから、専門家等に意見を伺ったところ、現状の山の勾配と同程度の安定性を持つ山へ盛土による回復は技術的には可能であるが、億単位の多額の費用が必要となることが判明しました。

 この結果を受け、盛土による回復について再検討しましたが、多額の費用をかけて現状の山の勾配と同程度の安定性が確保された盛土による回復を行わせても、仮に山崩れが発生した場合には、かえって被害が拡大するおそれがあること等を総合的に判断し、上記のとおり決定いたしました。

 ご要望に添えない形となり大変申し訳ありませんが、何卒ご理解のほどお願い申しあげます。

と言う回答書が住民宛に送られてきました。

ほぼゼロ回答です。

これでは住民の願いを願意妥当とした議会の議決をも軽視するものではないかと思います。

専門家は、現状の山の勾配と同程度の安定性を持つ盛土による回復は技術的に可能と言っているわけですから、「仮に山崩れが発生した場合は‥」のくだりは、「大きいお茶碗は割れた時に多くこぼれる」と言っているのと大差ありません

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これを受けて住民の代表は、平成29年1月23日住民監査請求を出します。

監査委員会は、受理をしたとも意見陳述を聞きたいとも連絡することなく、突然平成29年3月1日付けで、この請求を却下しました。

却下理由は、地方自治法242条・一年間の監査請求期限を過ぎている、というもの。

この却下通知は起算日を明示していません。請求人に陳述する機会も与えず、門前払いするわけですから、その起算日の確定はよほど慎重でなければなりません。

2月、11月、いずれについても1年を経過しております、の一文に却下の結論ありきでどっちでもいいという投げやりな不誠実さを感じます。

現況に復するように、また搬出された土砂にいて損害賠償請求をすべきとの主張でありますから、現況に復するかどうか確定していない状況で監査請求を出しようがありません。しかも9月議会で願意妥当として請願が採択されて、南国市も専門家の意見を聞くなど再検討を余儀なくされていますから、南国市の最終回答に期待を寄せるのも当然のことです。

南国市は議会の請願が採択されて以降、12月21日が住民との初めての接触であり最終回答ですから、この時点で請求期限を過ぎている、という強弁はあまりにも理不尽な解釈です。まさしくこの起算日をいつと認定するかを判断するのにこそ、請求人の意見陳述に耳を傾けるべきではないでしょうか。


高知市の(仮称)仁井田産業団地計画と南国市市有地払い下げ申請の時系列での整合性

この件については、最初から気になっていたことがあります。それは高知市で計画されている仁井田産業団地計画と払い下げ申請および工事許可申請理由の整合性であります。



市有地払い下げ理由に太陽光発電施設建設のためと言ってみたり、市有財産工事許可申請の理由に土地の有効利用と言ってみたり。

最初から高知市に売り払うことを前提に資産価値を高めることを狙ったものではないか、太陽光発電施設建設も資材置き場有効活用も虚偽の申請ではなかったか、との疑念が払拭できません。

では、いつから業者は仁井田産業団地の計画を知っていたのか。

時系列で整理し検証するために、2月24日、2月27日の両日、私は高知市の商工観光部産業団地整備課長と産業団地整備管理監からお話を伺いました。

課長は、商工振興課から産業団地整備課が独立した平成26年に課長になられた方で、管理監は当人が当該企業の代表者とトップ交渉に当たられていた方です。

高知市は平成26年度当初予算に(仮称)仁井田産業団地の用地調査測量のための予算3千万円を計上しています。

当然、11月のヒアリングまでに地権者の意向確認もし、用地取得に協力してもらえる内諾を得てから予算要求しているはずなので、その点について確認すると、管理監は、「平成25年の早い段階で、私が直接代表者と交渉して了解を得た」との回答でした。

最初に南国市に市有地払い下げの申請を出した平成26年2月25日の時点ではすでに高知市と条件面で交渉に入っています。

「(Y代表は)太陽光発電施設については、最初に話を持って行った時には、本当に計画していたようだ。最終的にどっちががより利益になるか両天秤にかけている風にも見えた。そのやり取りの中で、『わしは損になるようなことはせん、3千万投資して4千万のリターンが見込めたらやる』という彼の経営哲学も聞いた。条件面での詰めは残るにせよ、基本的には協力してくれる感触を得たので予算計上した」と言っています。

 しかもなんと「平成26年2月になって、Y代表から計画案の場所の発表をしないで欲しい」と要求があったことも明らかにしました。

 高知市との間で用地売却交渉をしていることを知られたくない、という作為を感じます。

 調査測量費の当初予算計上を議会へ図らなければならないので秘密にはできないと断り、平成26年3月19日の高知新聞の報道となっています。

この会社は、道の駅や医療センターの例を見ても、自社が所有する土地に事業計画を提案する営業手法を得意としています。計画策定にあったっては、当該の企業から働きかけはなかったのか、についても確認をしました。

その点については、「多くの浸水予想地域を抱える高知市にとって、高台の産業団地整備は喫緊の課題だが、開発可能な候補地は限られるので、ここ(仁井田)と一宮の産業団地については、高知市が主体的に決めたもので働きかけがあったものではない」と明言しました。

平成26年2月に太陽光発電施設建設を理由とした払い下げ申請については、「理解できない」とし、

とりわけ平成27年1月13日庁議で市長が、

「市有地を譲渡する条件として(パネル設置部分も)南国市へ編入することを高知市へ持ち掛けようと考えている。‥潮見台では、南国市分を高知市に編入しているので、今回は南国市への編入と話がまとまればと思っている。」と発言されている情報公開資料を見せると、

二人とも絶句し「ありえない。この時期に」既に用地測量も終わった段階ですし、産業団地予定を南国市に編入することなどありえないので、当然の反応と言えます

  

平成27年2月の市有財産工事許可申請理由は「土地の有効活用」ですから、有効面積を拡大し高知市への売却金額をつり上げるためも、「有効活用」と言えなくはないかもしれません。

結果的に途中まで山を削ったものの、法面勾配を緩やかにしたため有効利用できる土地はたいして増えていません。彼の経営哲学からすれば、投資に見合うリターンが見込めない上、これ以上コストをかけて原状復旧できるか、との思いであるかもしれません。

一方では、高知市と土地売却交渉しながら、平成26年2月に南国市に太陽光発電施設建設を口実に市有地払い下げを申請する。あわよくば安く払い下げ受けて高知市にその分も売りつけてやろうという、詐欺師の手口と言っていいかもしれません。

南国市という人格は、市民総体の利益代表であるはずです。市民と営利企業の利害が衝突した。その企業は利潤追求は倫理に勝ると言ってはばからない、許可条件も守らない不誠実な企業です。

他市のことではありますが、強引なロビー活動で道のないところに道の駅をつくらそうとしたり、医療センター駐車場に隣接する宅地開発に関わって、高低差を解消するのに敷地境界ぐるり擁壁で土留め工事を行うよりも一体的にかさ上げをした方が安価で済むと判断し、医療センターに駐車場のかさ上げを提案して、工事費4000万円を請求するような会社です。

その他にも、とかく噂のある人物が代表を務めるこの会社と、何の落ち度もない住民。

どちらの側に立たなければならないかはいうまでもありません。

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